『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?』 パコ・ムーロ著 坂東智子訳は、読むだけで、仕事と人生の業績がUPするためのヒントを13のストーリーで教えてくれます。
私がこの本に出会ったのは10年以上前の古本屋でした。たまたま手に取ったのですが、ものすごくためになるので、繰り返し読みました。家族にも読み聞かせしました。
今も本当にためになるので、本だなから取り出して読んでいたのですが、実はこの本、本屋さんでみたことがないのです。時折思い出して、本屋さんに行ったときに探してみますが、見当たらないのです。もったいないと思い、今日ご紹介することにしました。
今日全部のご紹介はむずかしいので、一番好きで最初の物語、『進化を拒んだ古代魚と陸に上がったカメ』をご紹介します。
常に進化していかなければならないことの大事さを教えてくれる物語です。
『進化を拒んだ古代魚と陸に上がったカメ』のあらすじ
ある沼で年老いたカメが、沼に住む生き物全員をあつめてミーティングをしました。
カメは、みんなを諭します。今はまだ沼に水はたっぷりあるけれど、水が少なくなってきていること。自分は昔に似たような経験がある。この沼はいずれ干上がるから、生き延びるために陸で生きていく対策を共にしていこうと。
沼の住民は驚きつつも思い当たることもあるので、カメのアドバイスを受け入れます。一日に少しの時間から陸で過ごし、体を対応していくように努力します。子孫にも伝えていきます。
古代魚のバルビーヨだけが、沼の水は減ってきていると自覚はあっても、またいつか大雨が降って元に戻るだろうと楽観視し、生き方を変えませんでした。
むしろ、他の住民が陸への努力の反動で、水の中の動きが緩慢になっているのに漬け込んで、エサを多く獲って謳歌していました。
やがて、沼はカメが予言した通り干上がります。水たまり程度の水でバルビーヨが苦しみながら死を迎えるころにカメと出会います。
バルビーヨが自分の不幸を嘆くと、カメはこの話で最も伝えたかったことを話して立ち去ります。
大事なこと
「不幸な友人よ。昔のまた昔、わしもおまえみたいにバカな魚じゃった。そして、わしにも進化するチャンスが与えられた。忠告を耳にしたが、大事なこととは思わなかった。それが災いして、わしは陸ではとてものろいし、残念ながら空を飛べるようにはならないし、水中でもとり立てて楽に泳げはしないのじゃ。
こうしたことを、わしは長いこと不運のせいにしてきたが、今では、責任はこのわしにあったと悟っておる。
わしのまわりの世界が何か教えようとしたが、わしはひたすら無視して自分のやり方を変えなかった。あやうく、この新しい世界から取り残されるところじゃった。
どの道すすまねばならん。だからわしはもっと速く動こうと決心したんだ。毎日少しずつ走る距離を増やして、いずれはもっと上等なものに進化したい。この先、厄介な時代がきそうじゃが、そんなときでもみんなに負けない力を保っていたいのじゃ」
伝えたい作者のの伝えたいこと
物語の最後にこう記してあります。「今日の繁栄のみを享受している人の多くは、明日も生き続けるには、変わる必要があること、進化する必要があることを、理解できずにいる。」
色々な分野で進化の激しい現代で、この歳になると、正直新しいことを覚えるのはめんどくさいです。「目をそらしても、覚えなくても命をとられる心配はないもん。」そう思う度、私はこの物語を思い出します。
私は『古代魚』になってやしないかって。
今はじめて頑張っても、私は空をとぶことはできないだろう。でも、せめて自分はぎりぎりの『カメ』でありたい。
そう思うと、はじめの一歩を踏み出せます。
この本は、皆さんの背中を押してくれるかもしれない本です。よかったら、取り寄せて、読んでみてください。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。
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